ウェールズはブリテン島南西部に位置する連合王国の一つの国で、首都カーディフを中心に語学留学先として人気が出つつあります。
連合王国を構成する4つの国の1つであるウェールズ。面積は英国の10分の1以下、人口はさらに少なく、相対的には地味な地域と言っていいでしょう。留学でも旅行でも、イギリスへ行くと言って、まずウェールズという人は、よほど特殊な思い入れがある人か、他の地域は一通り行ってしまった人かもしれません。留学先としてのマイナー度では、北アイルランドといい勝負でしょうか。というような言い方はウェールズの人に失礼かもしれませんが、やはり穴場には違いありません。しかし実際に一度行ってみれば、そんな地味なだけの場所ではなく、カーディフはすっかり近代的な都市ですし、田舎に行けば思いのほか雄大な自然に圧倒されます。
ウェールズでは、英語の他、ウェールズ語も公用語です。イングランドからウェールズに入ると、道路標識や駅名標などの表示が、2ヶ国語になります。スコットランドやアイルランド共和国も、ゲール語との2ヶ国語表示ですが、同じケルト文化圏でも、ウェールズ語はそれらともまた違う難解さを持っています。山間部を中心に、ウェールズ語を第一言語とする人々が今も少数いるそうですが、その人達も当然英語は達者ですし、一般に留学や旅行で行くような所では、ほぼ英語だけが話されています。
もちろん、マルタなどと違って、英語が全域で第一言語なので、もっと各地に語学学校ができても良さそうでもありますが、現実のウェールズでは、語学学校はほぼ、首都のカーディフに集中しています。それも集中というほど沢山の選択肢はありません。カーディフ以外にある語学学校は、僅かばかりの小規模校の他は、田舎を売りにしたサマースクールや個人レッスン主体の学校(ホーム・テュイションタイプを含む)が若干程度です。ですので、一般的な語学留学にウェールズを選ぶなら、カーディフが現実的な選択肢でしょう。カーディフ以外に語学学校が栄えない理由としては、ウェールズは、産業革命以来、石炭などの供給地であって、都市部のほとんどがそれらの鉱工業によって栄えてきたからです。エディンバラ、ヨーク、カンタベリーなどのように、観光都市として長年繁栄してきた都市は、はっきり言ってほとんどありません。例えばロンドンで「仕事でウェールズに行きます」と言えば、多分「お疲れ様です」といった反応になるでしょう。「観光でウェールズに行きます」と言えば、きっと「いいなあ」と言われるでしょう。それは、ウェールズに観光と言えば、通常は海や山、高原などの自然や古城散策などを思い浮かべるからです。実際、ウェールズの国土の約20%が国立公園に指定されています。
ウェールズは、全体的にはそういった場所で、旅行で一回りすればきっと、こんなに素晴らしい美しい自然に溢れた歴史ある所だったのかと気に入っていただけるでしょう。しかし、田舎には語学学校はなかなかできません。できないと言うより、作っても学生が集まりません。ですので大きな都市も少ないウェールズ、現実的に語学留学先となれば、首都カーディフがメインです。
イギリス留学サイト(ryugaku-uk.com)掲載の語学学校:
・ケルティック・イングリッシュ・アカデミー Celtic English Academy
カーディフはウェールズの首都かつ最大都市であり、語学学校もほぼこの都市に集中しています。ウェールズ全体の中では、物理的にもイメージ的にもイングランド寄りで、実際、カーディフはロンドンから列車でわずか2時間。ですので、カーディフだけしか行かずにウェールズを語るな、という都市ではありますが、旅行でもまずここに着いて、さらに奥地へ向かう、という人が多いですし、現実的な留学先としては、特に長期留学では、ウェールズでカーディフ以外の場所では、一般的な長期留学向けの条件が揃っているとは言えません。
その昔、炭鉱などで栄えたウェールズ。その集散地でもあったカーディフは、かつてはどことなく暗く、治安も悪いイメージがありました。しかし過去数十年、歴史的な良さを残しながらもすっかりモダンに再開発されたこの街は、名実共にウェールズを代表する素晴らしい都市となり、今もなお発展を続けています。イングランドのブリストルやバーミンガムなどの主要都市へのアクセスも良く、ロンドンも十分日帰り圏という立地も、今日の発展につながった理由でしょう。美術館なども多く、ミレニアム・スタジアムという世界最大の格納式屋根を持つ競技場があるなど、歴史都市でありながらも近現代都市の装いを整えています。中心部は何とか徒歩で一回りできる規模で、語学学校もそのあたりに集中しています。
ウェールズという地域性に徹底的にこだわりたい人にとっては、立地もイングランド寄りであり、首都かつ大都市であるカーディフだけでは物足りないかもしれません。しかし、結論から言うと、現在の所、個人の学生が年間を通じてグループコースを受けられるような通常の語学学校は、ほぼカーディフだけと言えます。カーディフに次いで人口の多い都市は、スウォンジー(Swansea)やニューポート(Newport)ですが、これらの都市は、産業都市・鉱工業都市としての歴史が長いため、観光地や語学留学先としては、将来はわかりませんが、今の所は認知されていないのが現状です。他方、都市ではなくウェールズらしい僻地ということになれば、やはり田舎は一般の語学学校を開いて世界中から学生を集めるのは困難で、地味なウェールズであればなおさらのこと。ですので、夏のサマーコースや一対一教師宅ステイなどの特殊な学校は点在していますが、一般の語学学校はほとんどありません。
ですので、ウェールズにこだわりたい人は、やはりカーディフを選ぶか、さもなければ、イングランドのウェールズ寄りの都市に滞在し、休日や休暇でウェールズを訪れる方向で考えるのも現実的に良い考え方です。
ウェールズは、南北に細長く、中間部が人口希薄で交通不便です。そしてイングランドに比べると山がちの地形です。そのため、一口にウェールズと言っても、南と北との交流は必ずしも深くなく、相互の行き来も不便です。例えばウェールズ北部であれば、ウェールズの首都カーディフからより、イングランドのチェスター、リヴァプール、マンチェスターあたりからの方が距離も時間も短く、交通も便利で行きやすいという現実もあります。つまり、ウェールズという土地に興味のある人であればあるほど、留学先がウェールズ(=カーディフ)でいいかどうか、悩んでしまうかもしれません。ウェールズ全般に興味があり、留学中に週末を何度かに分けてウェールズ中を公共交通で回りたいならば、拠点はどこが最も便利かというと、確かに一つはカーディフです。それ以外であれば、イングランドのブリストル、バーミンガム、マンチェスター、チェスターあたりが、ウェールズに割と行きやすい都市です。そういったウェールズの地理的特性も踏まえて、このユニークな地域も是非訪れてみて下さい。
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